黒い法服

　皇太子は、頭部に９cmの傷を負ったが、命には別状なかった。

　しかし、これは重大な外交問題になる。
　事態をいち早く収集するため、政府関係者は電報で皇居の明治天皇に緊急行幸を要請。
　明治天皇は勅語を出した。

「今、朕が敬愛するＲ帝国皇太子殿下が来遊されるにあたり、朕および朕の政府、臣民たちが歓迎しているところ、難に遭ったとの報を受け、朕は痛惜に耐えない。この暴行者を厳罰に処し、隣国との友好を損なうことがないよう、朕の意を体現せしめよ」

　明治天皇は京都に御幸、Ｒ帝国皇太子を見舞い、国家としての謝罪を行った。