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「それでもういいのか? もっと食べてもかまわないが」
「いえ、もう……」
いきなり可愛いって言ってみたり、そんな風に思いがけなく優しくしたりとか、絶対にズルいんだけどと思う。
「そうなのか? おまえって、本当に美味しそうに幸せそうに食べるから、いいよな」
頬杖をついたかっこうで、こちらをつぶさに見つめられて、
「……"おまえ"って、さっきも……」
まだ出会ったばかりなのに、さも親しげに呼ばれることに動揺が隠せない。
「ああ、悪いな。今さらだが、君は、名前はなんて言うんだ? 俺は……」
言いながら、胸ポケットを探って名刺を一枚取り出すと、スッとテーブルを滑らせて渡してきた。
手に取って見てみると、そこには──
『株式会社 ホテルMAMIYA
代表取締役 専務
眞宮 舜』
と、記されていた──。
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