2 ハグから、いきなりデートに進展?

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店を出てしばらくすると、その場限りでしかなかったように自然と手が離され、 「あそこのフレンチは、間違いがなかっただろう?」 ああいう場には行き慣れているんだろう、自分自身とはやはり疎外感のある調子で、そう尋ねられた。 「ああ、はい……、ごちそうさまでした」 さっきまで繋がれていた手を、ぼんやりと見下ろして答える。 「そうか、よかったよ」 口の端に、緩く笑みを浮かべるその顔を見つめながら、 仄かに熱をはらんだ手を、もう片方の自分の手でそっと隠すように覆うと、 「美味しかったです、本当にとっても……」 私は、もう一度同じようにも口にして、彼にぎこちなく微笑って返した。
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