2 ハグから、いきなりデートに進展?

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「眞宮様、今日はどういったものをお探しでしょうか?」 ショップスタッフから声をかけられた彼が、考えるように顎に手を当てる。 そうして、何かを思いついたようにスタッフに軽く耳打ちをすると、 「いくつかセレクトして、向こうで見せてもらえるか」 店の奥にある、恐らくVIPルームらしき場所へ、彼は目を移した。 「承知致しました。それではご用意をさせていただきますので、サロンの方でお待ちください」 一礼をしてスタッフが下がると、「好きなように、店の中を見ているといい」そう言いおいて、彼はルーム内へ入って行ってしまった。 独り取り残され、好きなように……と言われたってと思う。 さっきのフレンチのフルコースもだけれど、こんなところ、私にはとてもじゃないけど居づらくて……。 そもそもあなた自身の買い物なら、私と来る必要性なんて全くなかったじゃない……。 心の中でぶちぶちと愚痴をこぼしつつ、何気なくジュエリーが並べられたショーケースを見やると、その煌びやかさに目がチカチカと(くら)みそうになった。
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