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「……はぁー、すごいな」
ついぞお目にかかったことのないアクセサリーの数々に、思わずため息をこぼしていると、
「待たせたな」
彼の声が、背後から聞こえてきた。
「いいものがあったんだ」
「そう、ですか。よかったですね……」
なおざりにされていた心寂しさに、やや気のない素振りで答えた。
すると──、
「ちょっとじっとしていろ」
彼がそう口にして、背中を向けたままの私の首筋に、不意に何かを巻き付けた。
「なっ、何を……」
「じっとしてろと言っただろ。俺が付けてやるから」
見れば、首にはネックレスが巻かれていて、キラキラと輝きを放つペンダントトップが胸元に揺れていた。
「えっ……、これって……」
とっさに状況を飲み込めずにいる私に、
「俺からのプレゼントだ」
彼が言い、ニッと笑って見せた──。
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