2 ハグから、いきなりデートに進展?

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「その笑顔、しっかりとここに、記憶しといたから」 自分の胸の辺りを親指で指し示す彼に、今日何度目かになる『ズルい』を感じる。 そういうこと、サラッと言えてしまって、しかもちっともハズしてないんだもの……。 「それと、そのアクセサリーだが、」 ふと彼が、私のネックレスを指差して、口を開いた。 「突然で、気おくれをしたんだろう? おまえと会うのもだが、俺はなんでも突然で、悪いな。だからもしよければなんだが、それは次に会える約束の印しとして、もらってくれないか」 「えっ……」……彼が私の胸の内を察して、とりなそうとしてくれていることがありありと知れる。 「……嫌か?」 頭に片手を当てた彼から、心もとなさげに尋ねられ、 首を小さく振って応えた。 身に余るものではあるけれど、もしまた会える約束の印しになるなら、大切に持っていられたらとも感じた。 「じゃあ、それ(・・)に誓って、また会おうな、レオ!」 「はい、また……」 彼に応えて、ペンダントトップにふっと手を添えると、本当にまた会えたらいいなという、淡い期待に包まれた──。
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