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なんだか高そうなカフェレストランに促されるまま連れて来られて、テーブルに着くと、
「お礼に、なんでも好きなものを食べていいから」
その男は、向かいの席で爽やかに笑った。
その笑顔、ズルすぎ……。だって笑顔が似合いすぎて、反論の余地もないんだもの……。
「……ああ、はい……」
いい加減自分も相手に引きずられ過ぎとも感じながら、とりあえずは受け入れても何の害もなさそうに思い、メニューを開いた──。
「うわっ、すごーい! 何これ、全部おいしそ……う」
表紙をめくるや、つい声を上げて、慌てて口に手を当てる。
いかにも高そうなお店だけだけあって、さすがにスイーツの種類も豊富で、どれも目移りがするくらいに美味しそうな写真が並んでいた。
「気に入ったんなら、全部食べてもいいんだぜ?」
相変わらずな甘い笑顔で言われて、目も合わせられずにコクッと無言で頷く。
自分はコーヒーだけでいいからと言う相手に、少しばかり遠慮をしつつ、気になったものを頼み終えると、
(何度見ても、すっごいイケメンなんだけど、この人ってホント何者……⁉)
向かい合わせなその顔を、改めてまじまじと見つめた──。
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