1108人が本棚に入れています
本棚に追加
女性がいなくなり帰るに帰れないまま、連れて来られたカウンターバーで、彼と隣り合って座るも、
「……あの、本当に良かったんですか? あの方のことは……」
大事な話があるようだったのにと、未だに戸惑いが隠し切れないでいた。
「嫌だったか? 俺と飲むのは」
「……そういうことではなくて……」
彼の口から吐かれた一言に、もしさっきのような出来事がなければ、純粋に嬉しく感じられたのにとやるせなさが襲う。
「俺は、おまえといっしょに来たかったんだ」
続けられた、普段なら胸に響くはずの彼のセリフさえ、今の私には素直に受け止めることができなかった。
最初のコメントを投稿しよう!