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糸の意味
約束の1週間目リリアナはマイクに打ち明けるべく、王宮に来ていた
殿下の部屋でいつも通り、膝の上に座らされた
「今日は秘密を打ち明けに来ました。驚くかもしれませんが、聞いてください」
「わかった」
「前に、マイク様に危害が加えられそうと言った事がありましたよね。あの時実は、悪い事を話していた方から、黒い糸を見たのです。それをたどると、2人の方が会話をしておられました。それで、聞き取れた会話の一部をマイク様に伝えたのです」
「そうか。糸が見えるのか」
「はい。子供の頃から、人の感情によって糸が見えます。例えば、悪意なら黒、運命の人なら赤、家族愛なら桃色など。たまに、何の感情かわからない色もあります」
「すごい能力だな。リリアナはやっぱり僕が愛しただけの事はある」
「気持ち悪くないのですか?」
「なぜ?むしろすごいと思うけど」
「…」
涙が溢れた
「どうした?大丈夫か?」
心配そうに抱きしめる
思わず泣いてしまった
殿下は私が思ってる以上に器が大きい方なんだわと思った
そして、殿下の言葉に安心した
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