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迷子
13歳で社交会デビューの為のパーティーに参加した
会場の中は、色々な糸が渦巻いていた
それを見ているだけで、疲れてしまう
悪意に満ちた糸も多くあるからだ
少し外で気分転換しようと、母様に声をかけてから庭に向かった
その時、庭に出て少し歩くと母様と同じ様に迷子になってしまった
「どうしよう。ここどこかしら?」
急に心細くなった
涙目で歩いていると、月明かりに照らされた男性が立っていた
その姿はとても綺麗だった
思わず見惚れてしまったが、はっと気づき声をかけた
「突然申し訳ございません。リリアナ・マイライトと申します。迷子になったみたいで、会場への帰り道を教えていただけませんでしょうか?」
クスッと笑われてしまった
「失礼、僕はマイク。会場へエスコートいたしましょう」
と笑顔で言ってくださった
「あ、いえ。教えていただければ、自分で帰りますので」
「僕も帰る所だったので、ご一緒しましょう。マイライト公爵令嬢」
と、手を取りエスコートしてもらって無事に会場に、たどり着いた
「ありがとうございました。それでは良い夜を」
挨拶をして別れた
彼からは何の糸も出てなかったので、迷惑には思われてないと安心した
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