楽しいひと時

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楽しいひと時

「リリアナ嬢は、婚約者などいるのかな?」 「いいえおりません」 「そうか」 「…」 話が続かない 「以前も庭に出ていたね。花が好きなのかな?」 「はい。お花を見ていると癒されます。特に王宮のお花は綺麗に管理されておりますし、見ているだけで幸せな気持ちになれます」 「そういうふうに思ってもらえて嬉しいな。花束を作らせるから、持って帰るといいよ」 「いいえ。お気持ちだけで。お花は切ってしまうと早く枯れてしまいます。その代わりにこちらに来て、見させていただいてもよろしいでしのうか?」 「そうだね。いつでも見にくるといいよ」 「ありがとうございます。王太子殿下」 と嬉しそうに礼をする その姿を優しく微笑んで王太子殿下は見ていた その後、王太子殿下と一緒に花を見て回ったリリアナだった 「今日は、僕と一緒なら迷子にならないから、思う存分みるといいよ」 「はい。ありがとうございます」 恥ずかしそうに、リリアナは返事をした 殿下はその姿を見て微笑んでいた 愛おしいものを見る目で 王太子殿下から、オレンジ色の糸がリリアナに伸びていたのに気が付かなかった
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