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企み
その後の夜会でも、庭園に出るたび、王太子殿下に会った
その度に、王太子殿下は優しく話しかけてくれて、庭園を見てまわる間エスコートをしてくれる
『王太子殿下は会場を抜け出して大丈夫なのかしら?』と、心配になるが王太子は気にして無いようだった
リリアナは人の集まる所を苦手としていた
人が多いほど、複雑に絡み合う糸が見えてしまい、体調を崩してしまう
出来るだけ、夜会やお茶会などには行かないようにしているが、社交界デビューを果たした今は出席しなければならないものも多くなった
そんなある日、庭園にいると2つの黒い糸をみた
良くない企みをしている人がいるらしい
内容まで見えるわけではないので、そっとその場に隠れた
「・・・だから、この時を狙って・・1人・・・」
所々しか聞き取れない
「王太子殿下は・・・引き離し・・・薬を・・・殺・・・」
王太子殿下に何かしようとしているの?
どうしよう
言ったところで誰も信じてくれないだろう
しかも何を仕掛けるのかさえ分からない
リリアナはどうしたら、危険を伝えられるか考えこんでいた
その内、2つの影は去って行った
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