空白

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空白

僕の中には何もないのに画面を触り、返信が来るのをただただ待ち、穴が広がるたびに車窓を眺めた。美しいものを見るたびに僕の中に存在しないそれが暴れ出し、痛みとなって水が溢れた。美しいという事実がただただ僕を責めてきて、それは死にたいという四文字になっていく。誰かに強く愛されてみたいのか、憎まれて殺されたいのか、それは果たしてと考えた時、僕の中の空白で、それはイコールで結びついた。 空白で生きている。感情はどこから来たのかという問い、生きていることへの疑問と、虚しさの正体を探して、それら全てが空白からできていることがわかった。 空白は虚しさでできているけれど、死にたいという強い衝動を持ち合わせているようだった。その空白の中で、君と踊りたいと思ったことを、許してはくれないか。
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