4人が本棚に入れています
本棚に追加
空白
僕の中には何もないのに画面を触り、返信が来るのをただただ待ち、穴が広がるたびに車窓を眺めた。美しいものを見るたびに僕の中に存在しないそれが暴れ出し、痛みとなって水が溢れた。美しいという事実がただただ僕を責めてきて、それは死にたいという四文字になっていく。誰かに強く愛されてみたいのか、憎まれて殺されたいのか、それは果たしてと考えた時、僕の中の空白で、それはイコールで結びついた。
空白で生きている。感情はどこから来たのかという問い、生きていることへの疑問と、虚しさの正体を探して、それら全てが空白からできていることがわかった。
空白は虚しさでできているけれど、死にたいという強い衝動を持ち合わせているようだった。その空白の中で、君と踊りたいと思ったことを、許してはくれないか。
最初のコメントを投稿しよう!