花冷え

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花冷え

さよならの後の風景を、心より遠いどこかで確かに欲している。終電が揺れる度沸き立つ空白とか、朝露の冷たい温度とか。どうしようもない虚しさだけを美しいって言えるようになったら、私、綺麗に消えられるのかな。淡くこぼれる百合の花びら、みたいに。
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