エスカレーター

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エスカレーター

僕は生きています。 生きている僕は、今日もエスカレーターに乗っています。 鉛のようなリュックを背負って、マフラーで首元を隠して、瞼は重くめやにがついていて、視界は重い前髪で遮られています。電車に乗って、吊り革を掴んで、遠く窓を見ていたら、雲が揺れ、光走り、稲妻が轟き、胸が跳ねるように痛みました。いらない気持ちだった、びっくりさせないでくれ、いつもそうやって心を殺します。画面を見て、眼鏡をかけて、イヤホンで耳をも塞いで、目に見えるもの全てに蓋をしました。 その瞳で僕は君を見ています、などと言えるでしょうか。 ねぇ、僕は生きています。 もし君に勇気があるならば、僕を殺してください。 はやく殺してください。 酷く綺麗な夕焼けが、僕の瞳に映る前に。
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