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(うーん。)
首を傾げて、むしゃり。相棒が残した赤りんごを、僕もかじる。
(どういうこと、なんだろうなぁ。)
ニュースを見ようか。うちに帰れば、テレビで何かやってるかもしれない。
ほら、たとえばこんなの——
——黄色い雨が降っています。レモンの味はしないので、舐めないでください。実験しないでください。本来赤色の食べ物しか存在しないはずの紅星でこんなことがあるのは異常事態です。華麗星や混沌星のドキュメンタリー映画などで目にするあれやこれやに憧れて真似した人物がかなりの確率でお腹を下す事例からもわかるように、過度な好奇心は身を滅ぼします。どうか冷静な個人の判断をお願いします———。
……そんな感じで。
ニュースキャスターが頑張ってるかもしれない。
ハアァ、と僕は息を吐く。
でもなあ、とも、思うのだ。
そこまでして情報を得たいことでもないような。
緊急事態なら警報が鳴るに決まってるし。第一うちまで帰ってテレビを見るには、家までの距離が微妙に長いのだ。
どうするかなあ、と。思いながら。僕が隣ですうすう眠る相棒に、自分が羽織っていたカーディガンをかけてやった……その時だった。
「あ。」
僕は、空を見上げた。
じっと、見つめる。空を。
そして。
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