闇から光へ

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そして帰りにどうしても寄りたい所があり、凪さんにお願いした。 両親の墓参りだった。 今まで遠出が難しかったからやっとこれた。 お花を飾り、凪さんもお墓の前で合掌した。 そして瑠璃は両親に想いを伝えた…。 墓参りが終えると、道を歩きながら凪は気になった事を伝えた。 「瑠璃はご両親と何か話したの? 合掌している時に長かったから。」 「…ピアノを続けるからって伝えた。」 「それは良かった…。 実はね…俺も話した…。 会って話してみたかったけど。」 「え…何をですか?」 「瑠璃さんの事を支えて、これから大切に付き合いたいって伝えた。」 「え!?」瑠璃は驚いて凪に振り向いた。 「どうかな? 俺達は会ったばかりだし、戸惑うよね。 でも俺は、瑠璃の事を命の恩人という存在だけじゃない…。 たった少しだけど、大切な存在になっていったよ。 大好きだ…瑠璃。 俺じゃ…だめかな?」 「駄目なわけないじゃないですか! むしろ…私で良いんですか? ご迷惑を掛けそうで。」 「迷惑だなんて…あり得ないよ。 瑠璃がじゃなきゃ…ダメなんだ。」 凪のド直球な告白に答えは一つだった。 「……よろしくお願い致します。」 「こちらこそよろしくね、瑠璃。」 瑠璃のおでこにキスをしてから、瑠璃を思いっきし抱きしめた凪。 そして瑠璃は、心に少しずつ光を感じ始めた。
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