衝撃の出会い

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衝撃の出会い

柏崎 瑠璃(25)は白杖を持って道を探りながら、仕事帰りの道へと歩いていた。 全盲だが、耳が良い事が救いで仕事は近所で録音タイピストをしている。 幼い頃から全盲で優しい両親に支えられながら育ったが、1年前に両親が交通事故により共に急死。 両親を亡くなってから1年、両親の住んでいた家で精一杯生きていたが、瑠璃の心は深い闇は一向に治らなかった。 そんな時に出会ってしまった。 商店街で買い物をしてから自宅に向かおうとした。 いつも近道として人気の無い公園を通っていたが、途中で持っていた白杖に何か突っかかってしまった。 (あれ?この道には何も無いはず…。) 突っかかったものはかなり重たい。 (丸太?荷物?) 一応確認で、しゃがんで物は何か触っていくと…。 (……人?人が倒れてる!?) 「大丈夫ですか!?聞こえますか!? 返事をして下さい!」 大きな声で叫ぶと微かに「うう…」と男性の声が聞こえた。 意識がある事にホッとして、「何処か痛い所は」と尋ねた瞬間に液体らしきものが手に触れてしまった。 (なにこれ…。) 体を触っていくと左腹部あたりに液体と共にものが当たり、「痛ッ!」指に鋭い痛みを感じ、その時に理解した。
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