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22 クロエ、閨を教わる2※
「ペルルシアの情婦と噂されるお前のことだ、俺のもので満足するか分からないな」
言いながらギデオンは雄を握り込んで先端を私の蜜穴に当てがう。ずっと欲しかった硬い感触に、またブルッと身体が震えた。
「魔王様は……目に見える私だけを信じると仰いました」
「そうだったな。悪女かどうかは後で分かるだろう」
厳しい口調と裏腹にゆっくりと剛直が挿入される。
抱き締められると、奥ゆかしい白檀の香りがして、私はそれだけで酔ってしまいそうだった。「動いて良いか?」という問い掛けにこくりと頷く。
遠慮がちに抜き挿しされる異物は苦しいけれど、嫌じゃない。目尻に溢れた涙を魔王は指で拭ってくれる。
どうしたって彼は優しい。
夜伽相手に情を掛けて、抱かないなんて聞いたことがない。我慢するってどうして?こちらは三ヶ月の時間と引き換えに金銭まで要求しているのに。
この魔王は、優しすぎる。
「あぁっ、魔王様、きもちぃ……」
「クロエ…っはぁ、名前で呼んでくれ。お前の声で俺の名を呼んでほしい、」
「……っん、ギデオン…?」
顔を見上げて名前を呼ぶとギデオンは一瞬目を丸くしてすぐに俯いた。名前を呼べと言ったくせに失礼な、と思ったのも束の間で、ゆるかった抽挿が激しさを増す。一気に引き抜かれた肉棒が今まで何の侵入も許していなかった場所を突いた。
「……!? んぉっ……??」
頭が真っ白になって脱力した身体がべしゃっとベッドの上に落下した。すぐに腕を引かれてひっくり返されると、後ろから貫かれる。肉同士がぶつかり合う乾いた音を聞きながら、意識がぼんやりしてきた。
なんだか頭がふわふわする。
ずっと気持ち良い。何もかも全部。
怖くなって後ろから突くギデオンを振り返ると、熱い口付けが返って来る。魔王のキスは不思議なことに甘い味がする。だから私は安心して身を委ねてしまう。
「ギデオン……っ…私、また、んあぁっ」
「……っは、クロエ……出る、」
引き抜かれた肉棒が私の腹の上に白い欲を吐き出した。眉間に皺を寄せて余韻に浸るギデオンを眺めていたら、パッと開かれた双眼が不安そうに揺らぐ。「悪かった」と謝罪の言葉が続きそうだったので、慌てて指で制止した。
「謝らないで。今日は復習はないの?」
揶揄うつもりで冗談を言ったのに、ギデオンは真面目ぶった顔で頷いた。
「指導者が積極的だと助かる。次は上に乗ってくれ」
「え……?」
「もう準備は出来ているようだ。挿れるぞ」
無防備な秘穴をまた太い肉塊が塞ぐ。
ぱちゅんぱちゅんと揺られるたびに、とろりとした蜜が溢れてギデオンの太腿を濡らす。彼の悪いところは、そうやって激しく突き上げるくせに、やけに甘い口付けを落とすところ。
いっそただの穴として扱ってほしいものの、魔王のキスはあまりに甘く、私は癖になりそうで恐ろしい。熱心に学ぶ姿勢は何処へやら、情欲に掻き立てられる顔はまるで、彼が本気になっているようで。
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