06 クロエ、説明する2※

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06 クロエ、説明する2※

 その後も私たちは順調に講義を続け、女性の身体に負担を掛けにくい体位や、より深く繋がれる体位などについて私は淡々と説明を行った。  これらは私が王太子であるライアスと結婚する上で受けた閨教育で学んだことだ。単に知識を横流ししているに過ぎない。  もちろん、何度かの実践に基づいたものではあるものの、正直言って別に私は性のエキスパートではないし、そういった行為に積極的なわけでもない。ライアスとの性交はあくまでも必要な儀式の一つで、そこに私の意思などはなかった。 (私よりよっぽど熱心に耳を傾けているわ……)  ふんふんと頷くギデオンを見ながら感心する。  いきなり攫われるピエドラ王女は可哀想だけれど、相手を傷付けないためにここまで事前に予習して挑む魔王の素直さを、どうか彼女にも評価してほしいと思う。  まぁ、魔族が滅ぶ一歩手前ということで、ギデオンも焦ってはいるのだろう。私に出来るのは、念願の王女を娶って彼らが子沢山に恵まれることを祈るぐらいだ。 「ところで、結合部はどこだ?」 「え……?」  そういえば、まだその説明をしていなかった。  てっきり人間と同じで彼らも棒を穴に挿す方式を取るのだと思っていたのだけど、どうなのだろう。これって先ずは魔族の手法を聞いておくべき? 「その、魔族間での方法はどのように…?」  遠慮がちに尋ねると、ギデオンは少し首を傾げた後で、片手で指二本を丸めて穴を作るとそこにもう片方の手の人差し指を抜き挿しする素振りをして見せた。 「こんな感じだ」 「えっと……つまり、男性側に生えている棒状のものを女性側に嵌め込むということですね?」 「そうだな。魔族と同じ場所であれば確かこの辺に、」  言いながらギデオンは私の足首を掴んだ。  突然のことに私はバランスを崩してシーツの上に転ぶ。  ぱかっと開かれた脚の間にギデオンは割り入ると、無遠慮にも露わになった秘所に指を這わせた。驚きのあまり、悲鳴にも似た声が上がる。 「なっ、何をするんですかいきなり……!」 「すまない。人間の女も穴の場所は同じとは…しかし、どうしてお前のものはこうも潤っているんだ?」 「………っ…ふ、あっ」  自分の指よりはるかに太いギデオンの人差し指と中指が割れ目を這うと、溢れた蜜がグチュッと卑猥な音を立てた。  私はシーツを掴んで耐えながら、なんとか良い言い訳を探す。彼の愛撫で感じて身悶えしているなんて恥ずかしくて言えるわけがない。情婦らしい言い訳は何だろう。こんな時、百戦錬磨の厭らしい女はなんと答えるのか。 「んっ、元婚約者から……そうするように教え込まれているの。これは、自然現象みたいな、ものです」  私の答えを聞いてギデオンは目を丸くする。  蜜口を撫でていた指が離れた。 「そうか。さすがは皆が噂する好きものだ。お前を指導係に選んで正解だった。明日もこの調子で頼む」  今日はゆっくり休め、と言い残してギデオンは部屋を出て行った。  私は俯いて大きく息を吐く。  どうなるかと思われた一日目は終了したようだ。  思っていたほど魔王は恐ろしくない。そればかりか、知的好奇心に突き動かされるように熱心に学ぶ姿は好感すら覚える。褒められた方法ではないものの、彼がきちんと知識を身に付けて王女を嫁に迎えることが出来れば良い、と心の底から願いながら眠りに着いた。
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