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08 クロエ、復習に付き合う※
平和な一日が終わりを迎え、綺麗な切れ目が入った手製のパンが戸棚の中で眠りに着く零時過ぎ。
ギデオンと私の閨教育は二日目を迎えていた。
ベッドの上でナイトドレスを脱がされると、これから始まることが単なる勉強であると分かっていても、やはり心臓が脈打つ速度は速くなる。
お城の人たちは事情を知っていると言っていたけれど、それはつまり、皆が私のことを「魔王の夜伽相手」であると理解しているということだろうか。夜間に私たちが行うこの特殊な営みについては周知の事実だと?
(昨日より意識してしまうわ……どうしてかしら)
まだ触れられていないのに、胸の突起はすでに勃ち上がっている。ジンジンとした甘い痺れが頭まで回ってきそうだ。
しかし、ギデオンにそんな事情をお知らせするわけにもいかないので、私は至って真面目な顔を作って「今日は口淫について学びましょう」と伝えた。この内容であれば私が恥ずかしい思いをすることはないはずだ。
ピエドラ王女には悪いけれど、こうした行為もきっと結婚すれば発生するだろうし、教えておくに越したことはない。王女が口で奉仕するとは考え難いが、いざその場となった時に魔王があっという間に射精するのも情けないので、ある程度の経験は積んでおくべきだろう。
「クロエ、悪いがその前に一つ良いか?」
「どうしました?」
「昨日の復習をしたい」
「復習……?」
「そうだ。やはり何事も実践を伴うことでより深い理解に繋がるだろう?」
そう言われれば断る理由もないので、私は「分かりました」と頷いて身体をギデオンの方へと寄せた。
差し出した胸に、冷たい手が触れる。
淡く色付いた突起の周りを指先で撫でて、柔らかな肉をふにふにと弄ぶと、魔王は私の顔を覗き込んだ。
「痛くはないか?」
「はい……あっ、とても…んぁ!?」
答えている最中に敏感な先端を摘まれて、思わず高い声が漏れる。恥ずかしくなって誤魔化すように咳払いすると、私は口元に手の甲を押し付けた。
この程度で狼狽えるわけにはいかない。
ギデオンは私を師としてこの城に招いたのだから。
「も、もう十分でしょう。あなたはよく理解しているわ、復習はこれで終わりよ。今日は下を脱いでください」
私の言葉を聞いて魔王は素直な生徒よろしく頷いた。
カチャカチャとベルトの音が響き、ギデオンは下着姿となる。私は白い布越しに浮かび上がる雄の形にしばし言葉を失った。
今まで見てきたライアスのものとまるで異なる。
凶悪という言葉はまさにこの棒のためにあるのだろう。今はまだ休息の時でその身を休めているけれど、これが臨戦状態となったらどうなるのか。はたして私ごときに、本当に彼の夜伽の相手など務まるのか。
いざとなれば逃げ出したい気持ちをとりあえず押さえ付けて、ひと思いに下着を下へ引き摺り下ろした。
「………っん…!?」
べチンッと飛び出した雄が私の頬を打つ。
びっくりして、立場も忘れて言葉を失った。
ダメだ、こんなものすべて口に含むことなんて出来ない。というか、吐精するまで持っていくことが出来るのだろうか。「口淫について学ぼう」と教師気取りで告げたくせに私はすでに恐怖を覚えている。
「えっと…ごめんなさい、少し驚いてしまって、」
「ああ、すまない。まだ完全に勃ってはいないんだが、必要であれば自分でその状態までしようか?」
「あ……いいえ、結構です」
答えながら、なんとか片手で包み込む。
分かっていたけれど右手だけでは足りない。手で扱きながら舐めることで多少は気持ち良くなってくれると良いけれど。ギデオンが人間の女を相手にすることに対して身構える理由がやっと少し分かった気がする。
つまるところ、危険なのだ。
事前の知識なしに人間相手にこんなもので乱暴に突かれたら下手したら死ぬ。快感どころの話ではなく、死ぬ。
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