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離縁できるまで、あと五日ですわ旦那様。
結局昨日は離縁の話が遅々として進まなかったが、まずは呪いを解くことを優先することで意見が一致。
昨日の疲れもあって今日は昼過ぎまで眠ってしまい、朝というか昼ご飯を取ることに。小竜に抱きついての添い寝は最高だったのだから、しょうがないわ。うん。
ドミニク様は就寝まで小竜の姿だったが、終始上機嫌だった。呪いを解く名目もあり、私が常に傍にいるのが嬉しいらしい。
微笑ましい……微笑ましいのだけれど……。
離縁問題は保留となっているだけで、私はまだ離縁を諦めてはいない。その肝心な話をしたいのだけれど……。
ドミニク様が話題にしない! 気付いていない──あるいは誤魔化そうとしているのかしら? それとも仲睦まじい夫婦として絆が深まったと認識している?
私は場の雰囲気に流されることもあるけれど、なし崩しや白黒ハッキリしないのは好きではない。だから自分なりに決着をつけようと意気込むのだが、人の姿に戻ったドミニク様はというと──。
「フランカがすごく可愛かった」
「起きていらしたなら、言ってくだされば良いのに!」
「フランカが自分からキスをするのに、どうして止めようと思うのか」
「あれは……緊急事態だったからで……」
「じゃあ、他の男にも同じようなことをするのか?」
「そんな……ことは」
途端に不機嫌になるドミニク様が若干面倒くさくなってきたが、「しません!」と答えて顔を逸らした。ドミニク様は満足したっぽいが、私を腕の中から離さない。今は食事中なので席を別々に座るべきなのに、膝の上に乗せてマナー違反だわ。
「ドミニク様。もうすぐ前菜が運ばれてきますから、席に着かせてください」
「本来の姿で食事に着けるのだから、このままで問題ない。竜人の習性で夫婦は料理を分かち合い、食べさせあう。だから自然と距離も近くなる必要があるのだ」
「しゅ……習性……ですか」
そう言われてしまったら、そうなのかも? と納得してしまいそうなのは、竜人の習性について全くの無知だからだ。そのことを正直に告げるとドミニク様は嬉しそうに「私が手取り足取り教えるから何も問題ない」と耳元で囁く。
し、心臓に悪い。なんて甘い声で言うの!?
ドミニク様の鉄面皮は健在なため無愛想だが、尻尾の揺れ具合で感情の揺れを判別している。先ほどから尻尾がブンブンと揺れているので、上機嫌だわ。
そういえば今日は心の声が聞こえなくなったような?
思わずブレスレットに視線を向けると青々とした宝石が紺色に濁っている。もしかして使用回数あるいは時間制限があるのかしら?
「フランカ。一緒に食べるのは……駄目だろうか?」
「う……。その言い方は狡いですわ。……でも竜人の御作法はよく分かりませんから、お手柔らかにお願いします」
「では!」
「はい。食べさせ合いっこに挑戦致しますわ」
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