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第3話
「そう。店を介さずに体を売るのさ。ここいらじゃあ一番の高給取りだぜ。1回で5カードゥだ。坊主はその姉ちゃんたちの客引きに使ってもらえばいいだろ」
「体を、売る」
オリヴィアの脳内に稲妻が走った。
――そうか、その手があったわ!
「ありがとう! ちょっと行ってくる!」
*
――1回で5カードゥ!
オリヴィアの頭の中はそれでいっぱいだ。
オリヴィアにとっては、体を売るということへの不安よりも、母を安心させたい気持ちが勝っていた。彼女は意気揚々と家に引き返すと、日暮れを待って再び家を出た。――今度は女の服装で。
サイン通りに着くと、そこには聞いたとおり、女たちが立っていた。客引きの少年たちもいる。少年たちは自分の姉さんがどれだけ美人かを喧噪して回る。
オリヴィアに迷いはなかった。そもそも、結婚したとしても、セルジオと体を重ねる自分が想像できない。きっとセルジオは1回ごとに金を請求してくるだろう。しかし、そこまでオリヴィアは頑張るつもりはない。
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