第4話

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 セオドアはイライラして、椅子をひいて乱暴に座った。  この女のこういうところが好きではなかった。もう少し女らしいかわいげがあったなら、と何度も思った。  セオドアはくっと口角をあげて話し出す。 「月末には、アシャー団長の叙勲パーティがあるらしいぞ」 「そうですね。そっちはさすがに、よろしくお願いします」  感情のこもらない声で言うオリヴィアに、セオドアは鼻を鳴らした。 「値上げだ」 「え?」 「俺はここのところ、大人しくしていた甲斐あって、社交界での評判もよくなってきている。高位貴族のご令嬢から茶会の誘いがあるくらいにな。そんな俺にエスコートさせるんだ。当然だろう?」 「おいくらですか」 「20カードゥだ」 「高すぎます」 「払わないなら行かない。せいぜい母親と泣いていろ」    その言葉に、オリヴィアは俯いた。  ――ほら、泣きつけ。  セオドアは首を伸ばしてオリヴィアの反応を見たがった。  彼はずっと、オリヴィアが金に困って泣きついてくれば面白いと思っていた。  はじめてオリヴィアに会ったとき、地味でつまらない女だと思った。
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