第2話

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「何かいい仕事ない?」  その言葉だけで、男はだいたいの事情を察した。彼は肩をすくめて笑った。 「ここのところ難民が来ているからなぁ!」 「うーん……」 「まあ、もう少しで難民たちも帰れるだろうし……そう悲観すんな」 「そうなんですか?」  男は目を丸くする。 「あ? 知らねぇの? 紛争はアシャー団長が沈めたんだぞ」 「へえ」  オリヴィアは頷いたが、それほど興味がわかなかった。  いずれ難民たちが家に帰ってまた仕事が舞い込んでくる、といっても、いままさに今月の金にオリヴィアは困っているのだ。  しかし、男はまだその話を続ける。 「今度、アシャー団長の叙勲式があるんだってさ。ついに団長が男爵だってよ!」 「わあ。めんどくさい」 「ん?」  オリヴィアは心底ため息をついた。叙勲式があるということは、当然貴族向けのパーティもあるはずだ。 「いや……叙勲式があるなら、恋人と見に行かないといけないから……」 「坊主、女がいるのか!」  男は豪快に笑い、オリヴィアと肩を組む。
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