移り気ハイドレンジア

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長い長い夏休みをほとんど会えずに過ごして、新学期が始まるとそれを埋めるように毎日一緒に登下校するようになった。 そのうちに、気がつけば秋がやってきた。 「上村くん」 秋が終われば冬がやってきて、2人とも寒いのが大の苦手でいつも手を繋いで熱を分け合った。 初めてのクリスマスには、思い出に残る特別なことをしようって決めて初めてお出かけデートをした。 プレゼントをお互いに買い合って、帰り道、名残惜しくて初めてのキスもした。 「紫青(しせい)くん」 厳しい寒さを乗り越え春が訪れる頃には、私たちの距離も最初よりも少しずつ恋人らしく近づいていた。 「紫青」 季節が変わるたび、恋が育つように彼の呼び方が変わって。 それに合わせるように、彼が呼ぶ私の名前もいつの間にか "陽花" になっていた。
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