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カシミアはムラケイとともに山の頂に立つ城(ストーンズ城)を出て、馬に乗って岸へと向かった。
デッドマウスはすでに船をおりて、島に侵入していた。Vの字となるよう、中央の女性がひとりだけ他の四人より前に立って、等間隔で並んでいる。男島に住むカシミアは女性と関わる機会がほとんどない。あっても、母親くらいだ。久しぶりに見た若い女性に、カシミアの心はどきどきとする。
女性は男にとって魅力的な存在ゆえに危険だと、島の教育によって教えられてきた。女性に溺れて破滅の人生を送ったり、女性が加わったことで壊れたコミュニティーは数知れずなことは、歴史が物語っている。女性は男社会の秩序に混乱をもたらす存在だと。そんな考えもあって、アーリング島は古来より女人禁制としている。
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