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「私も犬には好かれるほうですよ」
ローレンスが微笑し、エルシーはどきっとして目をそらした。
「こちらの犬はまるであなたを守るかのようだ」
「エイミアブルはいつもそうなの。大好きよ」
エルシーは目を細め、寄り添うエイミアブルの頭を撫でた。
コーレイが間に割って入る。
「もちろんコーレイも好きよ」
言って、撫でてあげる。
「……なんだか犬がうらやましくなってきますよ」
彼の言葉に、エルシーは目を丸くした。
こうなったら、狩りのあとの昼食をたらふく食べて、あきれさせてやる。
そう誓って、もう一度彼を見た。
あいかわらずの笑みがエルシーを見下ろしていた。
一緒に馬を駆り、森の中へ入る。
エルシーは男性と同じように馬にまたがった。女性は横乗りをするのが常識だから周囲の顰蹙を買ったのだが、ローレンスは違った。
「乗馬がお上手ですね」
ローレンスはにこやかに言う。
「ありがとう。あなたの馬、とても立派ね」
「軍馬ですから」
「では多少のことでは動じないのね」
「訓練されていますからね。特にこいつは賢いですよ」
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