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 狼はステップするように避け、後ろに回り込む。  ローレンスが振り返るより早くハーディが威嚇し、狼は牙をたてられない。  彼は踏み込んで剣を突き出す。  狼は素早く避けるが、その先にはコーレイが待ち構え、うなる。 「いいぞ、お前たち」  ローレンスは剣の柄を握り直す。  狼がよりいっそう牙を見せてぐるると唸る。  お互いに隙がなく、膠着(こうちゃく)した。  じりじりと、灼けるように時間が過ぎていく。 「後ろ!!」  エルシーの声がした。  彼はハッと振り返る。ハーディが駆け、背後に忍び寄っていた狼に食らいついた。  ボスの足が地を蹴った。  ひと跳びにローレンスにとびかかる。  咄嗟に突き出した剣はよけられ、背後の崖を蹴り、ボスは跳ねるようにしてローレンスに再度とびかかる。  予想外の動きに、彼は避け切れなった。  地面に突き倒され、剣を取り落とした。両肩を両前足で抑えられる。  その牙がローレンスの首を狙う。  ローレンスは必死に両腕を伸ばしてそれを避けた。  狼の仲間が両者を取り囲み、犬たちを寄せ付けない。 「やめなさい!」  エルシーはとっさに彼の馬にまたがった。そのまま突進し、ジャンプさせる。
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