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 エルシーは立ち上がった。 「ありがとう。あなたのおかげで助かったわ」 「ご褒美にキスをいただいても?」  いたずらっぽく、彼が笑う。 「キスって」  エルシーはためらう。 「ダメかな?」 「……いいわよ、特別に」 「光栄です、姫君」  彼はキスを受けるために背をかがめた。  私からするの!?  エルシーは戸惑う。  紫の瞳が挑発するように彼女を見つめる。  エルシーは意を決して、彼の頬に手を添えた。  背伸びをするようにして頬にキスをする。  唇を離すと、苦笑する彼と目が合った。 「そうじゃなくて」  彼はするっとエルシーを抱きしめる。 「私はこちらがいい」  ローレンスは返事を待たず、唇を奪った。  エルシーは驚き、だけど瞳を閉じた。  満月に見守られ、二人は何度も唇を重ねた。
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