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「でも、バレるんじゃ……」
「大丈夫、金髪に緑の目っていう特徴は同じだもの。もしバレたって私は名にしおうお転婆よ。王女がいたずらしたって思われるだけで、お咎めなんかないわ」
エルシーが自信満々にそう言った。が、メイベルは不安でたまらなかった。
だが、それ以上に不細工との結婚が嫌だった。
「お願いします」
メイベルは深々と頭を下げた。
お見合い当日、メイベルは仮病で寝込んだ。
様子を見に来た両親に、エルシーは言った。
「今日のお見合いは私が身代わりで出席します!」
「え?」
両親は顔をひきつらせた。
「いえ、使いをやって急病を知らせればいいだけなので……」
「遠慮しないで! きちんと私が代役を果たしますから!」
エルシーがあまりに言うので、メイベルの父、リーズ伯爵は断れなくなった。王女殿下に逆らうなど伯爵の分際ではできようもない。
気弱な彼は、結局は申し出を受け入れるのだった。
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