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 普通、狩りに同行する女性はただ見るだけで、自ら狩ったりしない。  これでたいていの男は嫌になるはずだ。 「いいご趣味をしてらっしゃる」  嫌味でもなく、彼はそう言った。  あれ?  エルシーは指で輪を作り、口に当てた。ピーと指笛をふく。  猟犬がエルシーに集まって来た。  よしよし、と頭を撫でながら、エルシーはちらりとローレンスを見る。  指笛をふく女なんて、たいていの男は……。 「よくなついてらっしゃる」  彼は相変わらず微笑していた。  なんで?  エルシーは焦った。ぜんぶ良いように返してくる。普通の男性ははしたない女を嫌がるはずだ。そんな女性を妻にしたら、周囲に笑われ、恥をかくのが目に見えているのだから。 「ハーディ、おいで」  彼は尻尾をふってエルシーに寄った。 「この子はハーディ。一番なついているの」  撫でながら、彼を見る。  ハーディは初見の男性にはよくうなる。今度もうなるだろう。そう思ったのに。 「立派な犬だ」  ローレンスは恐れずに手を出し、ハーディはその手を舐めた。 「ハーディがうならないなんて!」  エルシーは驚いて彼を見た。
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