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… コンコンコン
… パタン
「… 進堂様です 」
… ?
「 … ん?
あの娘は?
還したのか? … 」
… スタスタスタ
… ストン …
「 … あぁ
ここに来る途中 …
デカい虫が
寄って来てたから
くっつかない様に
連れて来たけど …
買い物済ませたから
還した … 」
「 … ムシ?
そうか …
美しい娘だもんなぁ …
… 西欧の …
人形みたいだ …
小顔で色白で … 」
―
ぁあ!そうさ …
美しいさ …
その紬をやっと手に入れられる!
毎日 …遠くに … 見てた …
あの …
―
「 … あぁ
" 傷一つない磁器肌 ” …
30に成っても
40に成っても楽しみだ … 」
「 … ふっ
まだ若いだろ … 」
「 … 24だ …
口うるさい強欲な
母親の束縛にも
父親が亡くなってからは
絶対服従にさぁ?
耐えてた娘だ …
" 主人が代われば ”
だろ …
紬が従うのは
俺になるのさ … 」
―
あぁ … きっと …
父親から託されたんだ
そんなタイミングで俺がなら …
―
「 へぇ~ …
鬼じゃなくて?
悪魔か お前は?
しかし良く
見つけたなぁ!」
―
… だから
見つけたんじゃない …
俺はあれからだってずっと!
紬をおもってた …
けど …
あの4年前の俺 …
紬はきっと憶えてないんだ …
… だから俺は無理なく
見合いという手段を
選んだ …
その見合いでも …
紬は目の前の俺を見て
初対面の そんな顔して …
―
「 ぁあ … 時間 …
かけた分 … かな? 」
―
だから待ったさ …
十分 …
ゼンゼン気づいてくれないけど …
俺はずっとそんなだったからな …
… だから少しは
意地悪したくも …
からかいたくもなるさ …
―
「 … それはそれは!
時給も高いお前がか? …
それは珍しい事で … 」
―
ぉぃぉぃ…
… ベタ惚れじゃないか …
… ふぅ~ん やっと!
お前の弱み見つけた ……
―
「 … ん?
で? …
今度は何の?」
―
ぁあ …
… おまえなんかに解って
もらわなくても …
ゼンゼン構わない …
―
「 … ぁあ
テキスタイルのなぁ …… 」
「 … 良いなぁ~
新しい技巧かぁ …
そぅ か …
テキスタイルなら …
おまえとこの
商品に使えるだけ …
じゃなく!
ほかの業界も だしな …
でも 特許は急いだ
方が善い!
どこまで進んでる?」
「 … ぁあ
時間にうるさい
オマエが特許の仕事も
しててくれて良かったよ
頼りになる …
今回のは他国との
勝負だ … 」
「 … ぁあ!
海外との勝負は
時差も利用するさ …
ん?俺は手ぶらでは
来てないから
すぐに取り掛かるぞ
詳しく話せよ … 」
…カタン
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