黒糖LOVE

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 ·····私の名前は黒田さとみ(24)お菓子作りが大好きな普通の会社員。  今日は黒糖まんじゅうを手作りするためにあんこ、黒糖、重曹、薄力粉をスーパーヤオヨロズに買いに来た。  順調に必要な材料を買い物カゴに入れてあとは黒糖。  黒糖は調味料売り場の砂糖コーナーにあるのでそこにめがけて歩いた。    コーナーに来たら黒糖が丁度1つ残っていたので取ろうとした。  〈ソッ〉  ·····ん?✕2  そのとき同時に同世代ぐらいの男性もその黒糖を取ろうとしていた。 「あっすみません。」 「いえ、こちらこそ。」 「私は黒糖でお菓子を作るためだけなので譲りますよ。」 「俺も実はお菓子を作るためだけなので譲りますよ。」 「あなたもですか!偶然ですね。何を作るつもり何ですか?」 「黒糖まんじゅうです。昨夜のグルメ番組で出来立ての黒糖まんじゅうをグルメリポーターの人が食べているのをみたら食べたくなったので。」 「私もです!」 「あなたもですか!凄い偶然ですね。」 「そうですね。」 「結局黒糖はどちらが買うか決まっていませんけど、どうしますか?」 「あの良いこと思いついたんですけど、どうせ目的は同じなので一緒に作りませんか?」 「えっ?」 「それなら材料費も安くで済んでいいと思ったんですけどだめですか?」 「いいアイデアだとは思いますけど、あなたみたいな若い女性が俺みたいな見知らぬ男と同じ空間でお菓子作りなんて不用心だと思いますけど大丈夫ですか?」 「そんな心配してくれる人は変なことしないですよ〜」 「わかりませんよ、俺も男ですから····」 「私はあなたを信じてますよ。お菓子作りをする人は悪い人はいないですから。」 「そんなインド人嘘つかないぐらい不確かですね。」 「面白い例えですねw」 「ウケ狙いで言ったつもりはないですけど〜」 「ごめんなさいw面白くてツボに入りましたw」 「逆にそこまで笑ってくれると清々しいです。」 「まぁ心配しないで一緒に作りましょうよ。2人の方が楽しいですよ。」 「そこまで言うならいいですよ。俺の家で作りますか?」 「私の家でもいいですよ。」 「まだ付き合っていない女性の家に行くのは良くないですよ。」 「私の家でもあなたの家でも同じことだと思いますけど。」 「同じではないですよ。俺がもしストーカーだった場合、あなたの家を特定することになりますよ。」 「面倒くさいですね。まぁそこまで心配してくれるならあなたの家で作りますか。蒸し器とかあります?」 「あります。」 「じゃあ材料を買ってあなたの家に行きますか。」 「はい。」  その後割り勘で材料を買って男性の家に行って黒糖まんじゅうを作った。    作り過ぎて食べ切れなかったので、半分は冷凍して半分は私が持ち帰ることになった。  なんやかんやお菓子作りで絆が生まれてL●NE交換をした。  またお菓子作りを一緒にする約束をして家に帰った。    この日からお菓子作り仲間としての関係が始まった。  お互い会社員で日曜日しか必ず空いている日がなかったので、その日にお菓子を一緒に作って過ごした。  それから1年後。  お菓子作り以外にも一緒にお出掛けをするようになり、なんやかんや付き合うようになった。  誰が噂を流したかわからないが、スーパーヤオヨロズで独身の男女が黒糖を同時に触れるとカップルになれるという噂があるそうだ。 (終)            
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