day.2 喫茶店

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day.2 喫茶店

 多分もう手遅れかもしれない。  学校帰り、君の後をつけ辿り着いたのは、よく言えば雰囲気のある侘びた喫茶店。 (駅前のカフェなら入るけどこういう喫茶店はなぁ)  躊躇いつつドアを開ける。開けたらすぐ君がいた。 「わ!」 「いらっしゃい。で、その二つの違い、分かる?」 「え、分からんよ!」と答えて気づく。 「あれ、俺、声に出てた?」  言ってから焦る。気を悪くしたかも。「ふぅん、じゃあlikeとloveの違い、分かる?」 「はひッ?!」  動揺する俺のことを、君の蛇みたいな縦長の瞳孔が捉える。どきんと心臓が収縮する。  あぁ、やっぱり手遅れだ。  俺は君に恋してる。
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