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day.4 アクアリウム
はじめて君と迎えた朝のこと。
まだのぼりきっていない硬質な光が差し込むキッチンで、記念だからと梅酒を漬けた。
ガラス瓶の中、氷砂糖を下敷きに焼酎のお池につかる梅たちを瓶越しに二人で見る。
「ふふ、アクアリウムみたい」
笑う私に君が「梅がお魚さんですか」と怪訝な顔をする。
「うん、梅がお魚さん。可愛いね」
そう答えたら君はハッとした顔つきになり「水族館、好きですか」と聞いてきた。
「うん、好きよ」
君はスマホを取り出して
「世界一の水族館はアメリカにあるそうです。うーん、連続で休暇取らんとあかんな」
と言う。私は君からスマホを取り上げた。何? と目顔で聞いてくる。
「この部屋を水槽に見立てて、私たちがお魚さんになるというのはどうですか」
口調を真似て見つめたら、君は首まで真っ赤になった。
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