3633人が本棚に入れています
本棚に追加
自分の部署に戻ると、上司の種崎部長に言われた。
「君、聞いたよ。
慶紀くんと結婚するらしいじゃないかっ。
よくあんないいおうちと。
いや、君の家もいい家だが。
見合いかね?」
「はあ」
まあ、そこは嘘ではない。
だが、何処かでこの話を否定しなければ。
社内でも私の結婚が会社の確定になってしまうっ。
やさしい隣の席のおばさまがにこにこと訊いてくる。
「まあ、素敵。
綾都さん、ご結婚されるの?
なんてお名前になるの?」
「……なんて名前なんですか?」
と綾都は種崎部長に訊いた。
最初のコメントを投稿しよう!