寝不足のまま、お見合いに行きました

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  「『もしや、お前は』で結婚相手だとは思わないだろ? 普通」  そんなことを言う侑矢と綾都は廊下を歩いていた。  営業に持っていくものがあったからだ。  侑矢は何処に用事があるのか知らないが。  そういえば、別になんの用もなかったみたいなのに、何故、うちの部署に来ていたのかも知らないな、と綾都は思う。 「なにか深い事情でもあるんじゃないのか?」  らしくもなく、やさしく侑矢は訊いてきた。 「だって、突然、結婚とかおかしいだろ」  ……深い事情、ないな。  確かに異常な事態だが、なにか複雑な背景があってこうなっているわけではない。
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