寝不足のまま、お見合いに行きました

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「結婚相手ならいるが」  えっ? と浜子が不思議な声を出す。  親戚の家の裏の川で大量のカエルがうるさく。  泊まると寝られないのだが。  そのカエルが確か、こんな声を出していた。  ヴェッみたいな。  聴きようによっては芸術的な発声だ。  村上さん、可愛らしい見た目に反してユニークだな、 と思っていると、慶紀がいきなり、綾都の手首をつかんできた。  ボクシングで勝者を決めたときのように、綾都の手を掲げて言う。 「俺の結婚相手はこいつだ――」
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