アルトワ伯爵からの招待状

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「手紙を出そうと考えておりましたが、言付かったこともあって直接お伺いをさせていただきました。リヴェット公爵夫人から昼食会にご招待を受けまして先程までお屋敷に伺っておりました。その時にアルトワ伯爵の開く舞踏会の招待状を受け取りまして、公爵夫人がミス・サンドリーヌにもお渡しするとおっしゃっておりましたので、ちょうどよい機会だと言うことで、言付かって参りました」  そう言うとエマは、一通の招待状をサンドリーヌに手渡した。 「ありがとうございます。アルトワ伯爵が舞踏会を?」 「えぇ。伯爵は舞踏会がお好きだそうで、社交界デビューを果たしたレディ達を早速ご招待したいと言うことで開かれるそうですよ」 「ルイ王太子殿下ですよね。緊張しますね」 「ふふ。ミス・カンブルランは楽しい方ですね。あ、そうそう、お招きする日取りについてですが、ちょうど考えていた日がアルトワ伯爵の舞踏会と同じ日でしたので、また改めてご相談をさせていただいてもよろしいでしょうか?」 「はい。よろしくお願いします。私はいつでも結構です。お誘いいただけてとても嬉しいです」 「ミス・カンブルラン、先日お会いしたときからあなたとお話ししてみたいと思っておりました。初めてお会いしたのに、以前からの友人のような気持ちになってしまって、不躾にもいきなりお伺いさせていただきました」
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