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プロローグ
「――その時は、俺が君の友達になるから、遠慮なくドアを叩いて」
たくさんの拍手に包まれ、壇上に立つ生徒会長の照れたような笑顔に、胸がドキドキしてた。
同時に鼻の奥がツンとしたら、目のあたりが熱くなって、その笑顔がボヤけてかすんでいく。
六年間、心の奥でおさえていた想いが、たった今、張りさけちゃったみたい。
あふれる思いと共に、流れ出した涙を必死にぬぐいさって、私も誰より大きな拍手を送りつける。
四月初め、桜は散っちゃったけど、今年一番青く澄み渡った空がキレイな入学式の日。
私立鈴城学園中等部一年三組 高梨卯依は、二年五組 生徒会長の相原愁先輩に、一瞬で恋をした。
私にとって初めての恋が始まった。
「好きです!」
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