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でもデボラ嬢の言ったことは当たっている。 だってこれは本当はわたしの親友で前婚約者だったマリアンヌ(マリー)・サマセットのために用意していたお茶会なのだから。 幼い頃から決まっていた結婚相手アレクシス王子との婚約式が間近に迫った、ひと月ほど前。 マリーを襲った突然の不幸。彼女は王子を想い、自ら身を引いた。 つまり婚約が解消されたので、二年前から次の候補として名があがっていたカミーラ嬢が急遽正式な王子の婚約者に決まったのだ。 マリーのためのお茶会だったし、わたしが幹事だし、当然中止になるものと思っていたら、どこから聞きつけたのかカミーラ嬢から予定通り催したいと連絡があって、慌てた。 内心ものすごく不本意だけど、国王の主治医である父と宰相であるカミーラ嬢の父とでは立場は当然宰相の方が上。わたしに逆らえるはずもなかった。 だから私情は消して、参加する令嬢がたに楽しんでもらえるよう準備したのだ。 「そ、それにしても、マリアンヌ嬢は大丈夫なのかしら?」 デボラ嬢は失言を取り戻すべく場に話を振ったのだが、マリーの名前を出した時点でさらに失敗の上塗りをしているのに気づかないのだろうか。人のことを言えないけど、デボラ嬢は少し天然なところがある。
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