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わたしも宮廷政治には全く興味はないのだけれど、それでも親の立場を鑑みて情勢が一変したのを気取った令嬢がたが、手のひら返しでカミーラ嬢に媚び始めたのは理解出来た。 「……ま、あ、マリアンヌ様はああなってかえって良かったのではないかしら」 「良かった、とは?」 聞き捨てならなくて、ミュリエル嬢に噛みつくように問い返してしまった。 「あ、ち、違いますわ。たしかにお辛いこととは思いますけど。マリアンヌ様も次期王妃と噂される重圧にかなり苦しんでらっしゃったから」 額に浮かんだ冷や汗(?)をハンカチで押さえながらミュリエル嬢は答えた。 それもまた、間違ってはない。マリーも迫る婚約に少しナーバスになっていたとは思う。 それでもマリーは王子と結婚したいと強く覚悟を決めていた。 「でしたら、わたくし、マリー様の重圧を取り除くことが出来たのかしら」 「そ、そうかもしれませんわね」 「でも、わたくしだったら何があろうと王子のお側を離れませんわ。気落ちしてらっしゃる王子のお力になりたくて、連日こちらに足を運んでますのよ」 「まぁー、カミーラ様、健気でらっしゃいますのね!」 マリーが、どんな気持ちで、王子を手放したと思ってるの! 少しも悪気のない……いやむしろマリーが悪いみたいなカミーラ嬢の言い方に我慢ならなくて、気づいたら席を立っていた。 「アリッサ嬢?」
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