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卵集めを終えると、お母さんは黒い卵を手に持ちながらどこかに電話しているようだった。
電話を終えると母が、
「市役所に電話して、相談したからね!
市役所の人が見に来ると言っていたよ!」
と教えてくれた。
私は蒼音と近所の公園に遊びに行って、お昼に家に戻った。
昼食を済ませると家に市役所の男の人が2人来たので、母が朝見つけた黒い卵を見せていた。
すると市役所の人が、
「これが鶏舎の鶏の卵の棚にあったのですか?」
と聞いてきたので、母が私を連れて市役所の人を鶏舎に案内した。
そして鶏舎の黒い卵があった場所まで行くと母が、
「唯織、黒い卵はここにあったんだよね?
市役所の方に教えてあげて!」
と私に言ったので、
「ここにありました。」
と指差して伝えた。
「ここに他の動物が入る可能性はありますか?」
市役所の人の質問に母が、
「絶対ないとは言えませんが、普段は戸を閉めていて、作業がない夜などは戸に鍵をかけています。」
と答えていた。
「この卵は、調査のために預かりたいのですが、よろしいですか?」
と市役所の人が話したので母が、
「はい、かまいません!」
と答えた。
市役所の人は卵をそっと布にくるんで、鶏の卵が1つ入るくらいの木の箱にしまって、車で市役所に戻るようだった。
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