夏夜物語

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「なつめ?」 「この人」  葉乃ちゃんが私を指差すと、男の子とお姉さんの視線が一気に集中した。 「あ、速水夏雨です」  私は頭を下げた。 「透波です」  メガネ男子が同じく頭を下げる。 「とーは。とーちゃん」  葉乃ちゃんが彼を指差す。 「桔咲です」 「きさきさん」  またも葉乃ちゃんはお姉さんを紹介してくれる。  桔咲さんはニコニコと笑みをくれた。  彼女はウエーブヘアを肩につくかつかないかぐらいの長さにしている。  煙草を吸う姿といい、ちょっとかっこいい。  20代前半といったところか。  透波くんという子は「ガリ勉」を絵に描いたような男の子。  私と同じ高校生かな? 「っつーか、白くま。写真撮らせて。つぶやきUPしよう」  透波くんがスマホを取り出した。
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