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私はなんとしても彼の心を射止めたいと思っていた。だから、気合いを入れなくてはと。
いつもとは違う高級ブランドの店で服を選んではみたものの、正直よく分からない。
店員は「これなんかどうですか?」と、色々持ってきてくれるのだが、普段着慣れない物だけに困惑するばかりだった。
そんな時、「黒はね、女を美しくみせる色なんだよ」という、婆ちゃんの言葉が頭をよぎったのだ。
「あの、これください」
私は普段なら絶対に買わない黒のワンピースを選んだのだった。
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