歴史学校にようこそ

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歴史学校にようこそ

言われるがままに怪しい人についてきてしまった。 …冷静に考えると、このー菅原くんはやばい人なのでは? 怨霊伝説によると、人を大量に殺した過去があるし…  いや待てよ。いざとなったら、なんか恨みでも買ったら…  私も殺されー… 『よし、着いたよ。ここがー歴史学校。』 “歴史学校“… こんな所なんだ。 私は感心しながら学校の周りの自然豊かな景色を見つめた。 緑が全体的に多く、名前まではわからないが綺麗な花が沢山あった。 『綺麗…』  『いやいやお嬢さんの方が綺麗ですよ。』 そう言って現われたのはかっこいい男性だった。 スラリと高い身長にさらさらの髪。 クセ毛ひとつなく、フケ一つも見当たらない。   神々しいオーラが周りに漂っている。 (な、なんか眩しい人だな。) こ、この人、誰ー? 『…え。』 『ふふ。私は伊藤博文。この学校の校長で〜す!』 ああ、また怪しい人が出てきた。 これ、私、ついて行って大丈夫だったのか? いや、新種の誘拐とか?それだったらー… プルルル 携帯電話の着信音がなった。 多分、私ではない。 横を見る。 菅原くんではなさそうだ。 それなら〜 『あ、ごめんねぇ〜。』 伊藤博文さんがポケットからスマホを取り出し、奥の方に走っていってしまった。 『あの人は歴史学校の校長。けっこ〜、面白い人だよ。』 『ほ、ほう…?』 『あ〜、紅葉ちゃ〜ん。』 伊藤博文さんの声だけ聞こえた。 スマホの設定がスピーカーになっているのか途切れ途切れに女性の声が聞こえた。 どうやら“くれは”という方と話しているらしい。 『うん。僕も、会いたかった〜。』 すごいな。そんな甘ったるい言葉をスラリと言えるんだ。 『…先にクラスに行っちゃおうか。』 『…はい。』 空気を読んだ菅原くんが言ってくれた。
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