第1章:新入生クエストは波乱万丈⁉

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そんなやり取りをしていると、今度は五体のガーゴイルが姿を現すと、今度はアイリスが二人を守る形で立ちふさがり、覚醒具を装着する。 ガーゴイルはこちら側は飛べないと判断してか挑発してくるように飛び回る。アイリスは短い棍棒を取り出すと魔力を灯し、鉞に変形させた。 「空を舞えるのがあなた方の特権だとお思いでしたら大間違いですよ」 「いい? 水属性の神髄は凝結だよ。アイリスと敵の動きをよーくみて」   その言葉にピンときたユキハは、瞳を金色に輝かせる。 「そう、それでいい。力はそうやって使うんだ」   ユキハの瞳にアイリスは一瞬引き込まれそうになるが、アイリスは再度ガーゴイルに集中する。そしてアイリスは鉞を手に宙に舞った。 その様子に驚愕しているガーゴイルとの距離を一気に詰めると順番に斬り裂いていく。 斬り裂かれたガーゴイルは再生しようとするも、それより先に凍りつき絶命していった。 アイリスは全てのガーゴイルを祓えたことを確認すると、着地し覚醒具と鉞を納めた。 「ユキハ様。その目、時の操作もされてますか? 私の動きがゆっくり見えたりとか……」 「はい。ゼロ先輩に教わりまして……魔法の練習も、目を媒体に作った世界で練習したので沢山練習できました」 「それがユキハが急成長した理由ね。もう、ゼロ先輩⁉」 「む、俺はユキハの才能を引き出しただけだ。お前ら話すのはいいが足を動かせ。早くこの洞窟を抜けるぞ」   バツが悪そうに四人が歩みを再開させると、足元には体に風穴が空いたり、炭と化したガーゴイルが転がっており、マグナの背に乗っていたモノが愉快そうに笑っていた。 「みんな遅いよー。ほら、ぜーんぶ片付けちゃったじゃん。マグナ兄が!」 「お前が威張るな」 マグナはモノが背後で力強く抱き着いてくるのを頭を撫でて応え、マグナムを指先で回しホルスターに収めた。 「トウヤ。今日はお前が頑張るんじゃなかったっけ? あんなに粋がってたのになぁ?」 「あ、そか。次、俺がやるっす!」 「トウヤは僕と同じ雷属性だよね? 僕がお手本見せるのが一番いいんだろうけど。ま、僕やる気ないし一人でがんばってー」 「先輩がやる気ないのはわかってるさ」   トウヤは腰に提げていたグローブを装着すると指を鳴らす。 「ま、あたしら二人がサポートに入るから自由に戦ってみてよ」   そんな話をしていると三体のガーゴイルが新たに現れ、それを見たトウヤは意気揚々とガーゴイルに突っ込んでいき、それに対してガーゴイルは嬉々として迎撃態勢に入った。
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