第1章:新入生クエストは波乱万丈⁉

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六人もまたゼロを追って歩き始めるのだが、ところどころに恐らくガーゴイルであっただろう残骸が転がっているのみでその先ガーゴイルは一体も出現しない。 「ありゃ、こりゃゼロの仕業だな」 「ゼロ先輩、珍しく感情的になられてましたから、気分転換も入ってそうですね」 「ねーねー、この先光が見えるよ。あそこに立ってるのゼロ先輩だね。行こう!」 カレンがまだ暗闇が続く洞窟の先を嬉々として指さすも、ユキハはきょとんとし、トウヤは目を細めて先を見ようとするがやはり視界には暗闇が続くばかりだった。 「私は猫で【目】だからこういう視覚の感知に強いんだよね」 「カレンは感覚系の獣騎士だからな。攻撃タイプの俺には正直わからん。ちなみにアイリスが飛行タイプで」 「僕は攻撃と感覚の両刀使いなんだ! まぁ、同じ感覚タイプっていっても僕は嗅覚特化だけどね」 「獣騎士っていっても色々あるんすねぇ」 「ま、役割分担ってとこだな。ゼロが待ってるなら急ぐぞ。こんなとこ早く抜けるに越したことないからな」   その意見に一同同意すると残りの道中を駆け抜ける。すると眩い光が洞窟の終わりを告げ、青々しく咲き乱れる草花が広がる平原との境目でゼロは腕組みをし、合流を待っていた。 「おっす、待たせたなゼロ」 「来たな。ここからは俺一人で十分だ。お前らはここでクエスト終了を待っていろ」 「お、おい。ゼロ、どした? ……わかった。行け」 ゼロはマグナに目配せし、そしてチラッとユキハを見ると、一人平原の奥の奥へと走り去っていった。
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