第1章:新入生クエストは波乱万丈⁉

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マグナはその小回りを活かし、空中を駆け回りながらドレイクの翼に向けて銃弾を放つ。 銃弾は途中で蒼い炎を纏い、翼に風穴を開けた。 ドレイクは激痛に怒声をあげると、風穴はふさがり、そして空を舞うとマグナをにらみつけ火炎の息を吐く。 その火炎は的確にマグナを追尾し、距離を取ろうとするマグナをついには飲み込んだ。 魔法ならばかき消すことも不可能ではないが、火炎はドラゴン族特有の能力のため、マグナは舌打ちし防御の構えを取る。 一分程攻撃は続き、炎の中から服の焦げカスが舞い落ちたのを見てドレイクは嬉しそうに笑い声をあげ、マグナにトドメを刺そうと近づくと、炎の奥から殺意ある視線が刺さり、動きを止めた。 「くそ、あちぃ。でもわりぃな。俺も火龍だから炎は十八番なんだわ。お前には本物の炎を見せてやんよ」   マグナは目を閉じ、何かを呟き始める。それに興味を持ったのか、ドレイクは楽しそうに近づくが、マグナまであと少しとなった所で異常な空気を感じ取り一気に距離を取った。 「お前の鱗をもってしてもこれは熱いか? この技は覚醒具の限界を見せないと放てないからな。喜べ、俺がこの姿を見せるのは一族を除いたらゼロ以来だ」   マグナの体から蜃気楼が生まれる程の熱気が放たれ、覚醒具の角から蒼く澄んだ炎を噴き出すと、赤い翼は白く染まった。 マグナが指を鳴らすと一対の蒼い炎の槍が生まれ、それをドレイクの胴体に向けて放った。 「ギャァァァァ」    槍は的確にドレイクの胴体を貫き、ドレイクがそれから逃れようと引っ搔いても、藻掻いても抜けず苦しみの絶叫をあげる。 「熱いだろ。それは特殊な蒼い炎で数億度の温度を持つ。流石に効いたか? 永遠に内臓を焼き尽くされる……炎だから掴もうにもつかめず、かき消そうにも不可能だ。神の槍、不知火。苦しいだろ? 安心しろ。すぐ楽にしてやる」   再度指を鳴らすと槍は一気に炎上し、ドレイクは蒼い炎の中で断末魔をあげ灰となり散っていった。
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